コーヒーチェリーのしくみ

コーヒーの果実は、赤い果実の外皮をアウタースキンとよび、果肉にあたる部分を(なぜか)パルプと呼びます。
コーヒーツリーから収穫する時に、機械的に行える場合はすくなく、多くは手作業で行っています。これがとても重労働で、パルプがヌルヌルしてとても不快なんだそうです。コーヒー豆の市場価格は30年来の最高価格ですが、収穫作業者の賃金はここ20年で最低になっています。差額はどこにいっているのかは、後日に改めたいです。



コーヒーは幾重にも覆われています
外側から、外皮(アウタースキン)、果肉(パルプ)、(内皮)パーチメント、薄皮(銀皮とも。シルバースキン)と、4つを取り除いた後、やっと普段目にするコーヒーの状態になります。焙煎前ですが。



コーヒー豆精製の行程

  1. 水に浸して発酵:収穫したコーヒーチェリーを、水をプールした水槽に浸して酵素によって発酵させます。赤く熟していてもアウタースキンは固いので、水に浸けて発酵させてアウタースキンとパルプをとれやすくします。発酵するまで2日ほどかかります。
  2. 果肉と外皮を除去:果肉であるパルプは弾力があります。ペクチンと繊維質でできていて、ヌルヌルしています。これを果肉除去機にかけてパルプを取り除きます。このあと水洗いしてヌメリをとります。ちなみにパルプは熟した果肉なので甘いそうです。昔は果肉を油で炒めたり、団子状にして食べたりしたそうです。外皮(アウタースキン)と果肉(パルプ)を取り除くと、いよいよ種(コーヒー豆)が出てきます。
  3. 乾燥してパーチメントコーヒーに:この段階ではまだ店頭に並んでいる豆の状態ではなく、内皮に包まれています。この内皮をパーチメントといいます。ちょうどピスタチオの殻と種の関係です。このパーチメントの状態で天日で乾燥させます。設備の整っているところは機械的に乾燥させてしまいますが、とてもコストがかかります。長期の保存に最も適している状態でパーチメントコーヒーと呼ばれます。1ヶ月程度を乾燥に要します。
  4. 脱穀してグリーンコーヒーに:乾燥したパーチメントコーヒーを脱穀機にかけて、固いパーチメントを割り、薄皮も剥がします。

とっても大雑把に分けるとこうなります。


このあと

  • グリーンコーヒーを焙煎する:卸会社や焙煎業者などによって、コーヒー豆が焼かれます。コーヒーの香ばしい香りはこの時の焙煎香が主です。
  • 豆を挽く:グラインダーやミルでコーヒー豆を粉にします。
  • 抽出する:お湯や水を注いでコーヒーを抽出します。

コーヒー一杯を飲むにも、かなり手間がかかるものです。



上記のパーチメントコーヒーを脱穀してグリーンコーヒーにしたあと、水で洗う方法と洗わない方法があります。水洗式(ウオッシュド)と非水洗式(アンウォッシュド)です。一般には水洗式の方が、シルバースキンがよく取れており、後行程の焙煎時にチャフが発生しずらいので楽なのですが、大量の淡水を必要とします。非水洗方式ではシルバースキンが残りやすく、焙煎時に大量のチャフがでます。異物なども残りやすく外見も悪いですが、こちらの方式で精製されたコーヒー豆の方が上等とする意見もあるようです。