ブルボン種のコーヒーが栽培されて購入飲めるようになって何年も経つ。

コーヒーの木の品種は、大きく分けてアラビカ種とロブスタ種と長らくなってきた。ほかにはティピカ種などもあるが、きわめて栽培が限られており、ほぼ2品種となっていた。
しかしここ数年で、古くは栽培されてきたブルボン種のコーヒーの木が、ブラジルのコーヒープランテーションで栽培・出荷され、日本でも購入・飲めるお店もたくさん出てきた。ブルボンの名前は、中世のフランス王家ルイのブルボン朝からとっていると思われるが、名前はともかく古い時代に栽培されていたようだ。

ブルボン種の特徴は、味や香りがよいこと。もちろん味覚や嗜好は人それぞれであるが。それから病害虫に比較的弱く、栽培が簡単ではなくて収穫量を上げることが難しいこと。
しかし、近年はブラジルのモジアナなどを中心として、ブルボン種の高品質なコーヒー栽培が行われいる。側聞ではあるが、モジアナのコーヒー農園では、近年日系ブラジル人が農園主になることが目立つそうだ。日系人は最底辺の農園労働者から成り上がり、長い年月の末、雇用主などから農園を買い取ったり、他の農園と合併させて大規模化させたりしているという。これらの日系人農園主は、最底辺の労働者から成り上がっているだけに、コーヒーチェリーの果肉を剥くなどの、不快で辛い作業などを近代化・機械化することに積極的で、農園経営の合理化・現代化へ戸惑いがないそうだ。

ブルボン種のコーヒーは、まだブラジル以外に聞いたことはない。コロンビアや中米・アフリカなど、他の産地でブルボン種のコーヒーがあるなら是非飲んでみたい。ぜひ入手して焙煎してみたいものです。わたしが生豆を購入する焙煎・販売店さんには、ブラジル・クラシック・モジアーナが数年前から入荷されていました。焙煎は浅く、それでいて中心まで均一に焼かれ、中細に挽き多めに守ってドリップしていました。店主は「ブラジルにもいろいろな豆があるが、やっぱりこれ(クラシック・モジアーナ)が一番美味しいね。」とおっしゃっていました。わたしも同じ意見です。

モジアーナなどのブルボン種のコーヒー豆は、いまやネットでいくらでも手に入ります。どこで手に入れようとも、焙煎のオススメは浅煎りです。ブルボン種の味や風味を確認するには、米国の世界的なコーヒーチェーンのように真っ黒に焼いてしまってはもったいなく感じます。深入りなら、むしろ安い雑多なブレンド品でも大きな差は感じられません。焙煎する前に、まずはブルボン種のモジアーナなどが飲める珈琲店で、味を確認・楽しんでみるのがよいと思います。
東京近郊にお住いの方なら、おすすめはJR新宿駅東口のすぐ近くの喫茶店「凡」さんです。開業25年の著名なお店です。昔は知る人ぞ知る。そんなお店で、会員制の珈琲好きのサロンが西新宿のビルの一室にあったりしました。そのサロンに入会するには、凡さんで店主の面接を受けなくてはなりませんでした。残念ながらそのサロンはもうありませんが、凡さんは今も健在です。雑誌や様々なメディアで取材されたそうで、いまではよく知られ、週末にはデートによく利用されているようで、お店の雰囲気が台無しになるほど騒がしいです。お馴染みさんでも週末では席が空いてないことがほとんどなので、ご利用は平日をオススメします。コーヒーはもちろん、アップルコンピューターのファンでもある店主さんは、見かけはちょっとコワイですが、とても優しい方です。コーヒーだけでなく自家製のケーキも大変美味しく、コーヒーとの相性もよいです。たくさんのカップや重厚な木材の内装、そしてビックリなトイレ。いちどは訪れてみてください。
店舗のホームページはないようですが、●ログ系にはたくさん紹介されていますから困ることはないでしょう。