コーヒーの留意点

コーヒーの銘柄は、複雑で上流行程から下流までの統一した呼び名はありません。それだけにウソや詐欺っぽいことも起こりやすいです。例として、日本ではジャマイカのブルーマウンテンがブランド化して、同国の豆の殆どを日本が輸入しています。しかしブルーマウンテンは、狭義にはジャマイカ産でブルーマウンテンの900m〜1200mで栽培されたものです。このブルーマウンテンは網(スクリーンと呼ばれる)に通されて、大きさと品質をそろえられます。もっとも高品質なものを「ブルーマウンテン#1」もしくは「ブルーマウンテンNo.1」とよばれ、正真正銘のブルーマウンテンとなります。
当然、生産量は限られているのですが、実際にはブルーマウンテンと名乗るコーヒーの流通量は、生産量より遥かに多いのです。
最高品質の#1、No.1にもれた豆も、#2、No.2として出荷されます。価格はNo.1に劣りますが、味は変わりません。ブルーマウンテンはNo.1,No.2までしか見た事がありません。両者からもれた豆や、ブルーマウンテンではないジャマイカ産の豆は、ジャマイカの名前で取引されます。
また、アフリカタンザニア産のキリマンジャロも同様です。キリマンジャロタンザニアキリマンジャロ山の900m以上で収穫され、ふるいにかけられた豆が本来キリマンジャロを名乗れます。タンザニア国の定義では。しかし、実際はこれに当てはまってなくても、タンザニア産であればキリマンジャロと名乗ってしまうことがあります。おもに小売り段階です。
コーヒーの銘柄は、かなりインチキがまかり通っています。

各商品レベルでは、各産地をブレンドしたり、銘柄をブレンドしたり、品種をブレンドしたりして販売しています。おいしいならそれで構わないのですが、ブルーマウンテン100%と名乗っていても、No.1が入ってない場合が殆ど。No.2かジャマイカ産の豆をチョっと混ぜて、残りはブラジルやロブスタ種を混ぜて、ブルーマウンテンブレンドとして販売している事が殆どです。
当たり前です。そんなにたくさん栽培されていないのですから。
業者にとってはブルーマウンテンやモカなどのブランド銘柄は、さぞかし便利なことでしょう。